
「天山石(てんざんいし)は、佐賀県、唐津市近郊を産地とする花崗岩です。「天山御影(てんざんみかげ)」とも「鍋島御影(なべしまみかげ)」とも呼ばれています。閃雲花崗閃緑岩。中目石。色は青味がかっています。紫色がかった濃く深い青味が、長年変色しない銘石です。採石場により石目が異なります。 青味も濃いものと薄いものがあり、一般的には色味の濃いものが高級に扱われるようです。青味と透明感のある石目の中に、極小の赤っぽい結晶が入っており、至近距離で眺めてみても本当に美しい石です。石目が粗いため、外観の面では、小さな墓石よりも、少し大きめの墓石に使用した方が、より天山石の良さが引き立ちます。そして、国産材の中でもNo.1〜No.2の吸水率の低さと硬さを誇っており(吸水率は0.09%)、雨の後も変化がほとんど見られないため、墓石には適した石材であることが近年わかってきました。墓石に必要な条件を全て備えている石材です。そのため、建築材としても使用されていますが、現在その80%が墓石材として使用されています。大島石にかわり、最近急激に使用が増えている、人気のある石材です。角もちもよく、通好みの銘石ですが、関西でよく使用されるようになり、最近は関東でもよくみかけるようになりました。産出量が多いため、質がよい割には、値段も手ごろです。
天山石が採掘される佐賀県松浦郡七山村の近く・牛津町には、昔から「砥川石工」と呼ばれる石工の集団が存在しており、その方々が石の加工品の製造販売を行ってきたと伝えられています。天山石は、唐津城の石垣にも使用されており、歴史の古い石材です。しかし、地元でしか知られておらず、本格的に採掘が始まったのは、昭和40年代からのことでした。
現在では、もともとの「天山石」の他に、同じ「天山系」の石も、流通しています(「椿石」、「七山みかげ」、「富士みかげ」)。「七山みかげ」は、天山石系の中でも深い青みが特徴であり、「富士みかげ」は天山系の中でも強度がとくに高いのが特長です。また、同じ天山石の中でも「特級」「1級」「並」のランクがあります。
青色が深く、透明度の高い石目です。国産材の中でもきわめて硬く、吸水性も低いことから、日本屈指の銘石として、ニーズが高まっています。見掛け比重:2.69t/m3。