
「吾妻石」は「吾妻御影」とも言われ、福島県産花崗岩の白系統のものでは、最高級品と言われています。一級品と二級品があり、一級品はさらに細目と中目にわかれます。広大な丁場(30町歩)の開発を始めてから、生産量が最も多い石材です。明るい青み(スカイブルー)の色合いであるのに、しっとりとした落ち着きを感じさせる石目です。御影石の中ではめずらしく、「新鮮さ」を感じさせてくれる色合いの石材です。吸水率も低く色褪せない石材です。1989年は、墓石材100%、採石量1,200トン。宮城県最南部の丸森という土地でも、同様の岩石が産出するらしく、同じ名称で高級品として扱われています(岩石としては、おそらく連絡しているのだと思われます)。
「吾妻御影」は、丸森町から福島の梁川町へ向かう山中の、阿武隈川の南岸で採掘されており、「吾妻御影」の丁場から数百メートルのところから「磐梯御影」が産出します。磐梯御影と一続きの丁場です。石目が細かく、はっきりしています。艶も良く、墓石として人気の高い高級石材です。吸水性が低く、雨が降っても、水はけに優れています。石目は細目です。石目は中目系で墓石に加工するとグレー系の色調に見えてきれいです。採石状況が不安定なので石目が一定化しないので確認が必要です。
「吾妻みかげ」は、一般的に普及している価格帯の国産墓石、それによく使用される「茨城県産真壁みかげ」よりも、材料代が10万円ほど高いと言われています。その分、墓石に適した花崗岩になります。「吾妻御影」は、「真壁みかげ」のようには水を多く吸うことはなく、劣化も少ないようです。また、産出時期にもよりますが色は少し白いです。
「吾妻御影」は、昭和45年頃、「磐梯御影」は、昭和56年から採掘が開始されました。現在入手は非常に困難な状態です。 「吾妻御影」と「磐梯石」の丁場とは、直距離で300から400メートル程度しか離れていません。【吾妻みかげ】その吾妻みかげの丁場の中からより厳選して採掘されるのがこの中細目です。石目、色柄等合わせるのが非常に難しく、製品として出荷される墓石は原石の10%以下とされています。昭和45年の採掘以来、関西地区にて好評を博した味わい深い逸品です。 見掛け比重:2.635t/m3。