
インド産の白御影石の総称でもありますが、通常「インド白」と言うと、「シーラグレー」のことを指していることが多いようです。インド産の御影石は、吸水率が低く、硬度が高く、ツヤが長持ちすることが特徴です。「白御影」と言っても、真っ白な石ではなく、「白っぽい御影石」であり、グレーなどに近い色の中間色の御影石がほとんどです。
日本では、昭和20年代から30年代は、墓石には白御影が圧倒的に多く使われていましたが、日本産の白御影石も多いため、現在インド産の白御影石の需要はあまり多くありません。(関西地方では、昔も今も、瀬戸内地方で産出される白御影が主流です)
インドを代表する白御影石は「アーバングレー」、「シーラグレー」、「カラハリ」。グレー系の白御影石では、「銀河」というものもあります。国産の白御影石の中には、吸水率の高いものも多いのですが、インド産の白御影石は硬質で吸水率が低いのが特徴で、石目の美しいものは高級品として扱われています。
「シーラグレー」は現地では建材用として多く切りだされていますが、日本向けの、帯柄の少ない一級材は、産出量が限定されています。10〜20年ほど前に、とても人気のあった石種です。見掛け比重:2.626t/m3、年間採石量:1,500m3。
「カラハリ」は、1970年代に開発が始まった石。カラハリはインドのカルナタカ州で採掘されているインドを代表する高級石材です。石目は細かく均一。少し青味を帯びており、とてもきれいな色調です。優しさを帯びた色調のためか、女性の方に人気があるようです。原石には流れ模様が入るため、製品になる石は限られています。そのため、価格はすこし高価です。「カラハリ」のマイナス点があるとすれば、水を吸い上げた部分と吸い上げていない部分が見た目にはっきり分かってしまう点ですが、気にならなければ問題ありません。見掛け比重:2.660t/m3、吸水率:0.142%、圧縮強度:118.42N/mm2、年間採石量:600m3。
「銀河」は、小目の際立った、美しい光沢をもつ石。根強い人気があります。通称「ZC」「ZM」などと呼ばれています。色目は濃手と淡手の2種類あり、非常に硬質で変色しないと言われています。光沢が落ちにくく、吸水率の低い、定評のある良質な高級墓石材です。色合いは上品な淡い色調で、名前の由来通り、色目には銀河の星屑を思わせる、白玉の模様が入ります。均一で細かい石目が特徴です。
インド産白御影石は、中間色に近い白御影石が多く、どれも非常に堅い性質を持っています。日本に墓石用に入ってくる石は一級材のため、耐久性も非常に高く、インド産の白御影石は、品質面ではとても推奨されています。