
G906は、「浙江省で6番目に商品化された石」という意味でつけられた名前です。中国の石は、インドの石材と同様、地名をもとにつけられていることが多く、最初の数字の「9」は、浙江省産の石であることを示しています(ちなみに、3なら山東省、6なら福建省、17なら黒竜江省です)。残りの2桁がその省から出た石の番号で、「○番目に作られた石」「○番目に商品化された石」という意味を示しています。しかし、浙江省産の石で、現在、日本で一般的に流通しているのは、この石の他にはありません。最近は「G026」という名前で流通してします(石のネーミングの仕方がかわったのです)。通称「深海(しんかい)」と呼ばれています(業者によっては「祥雲石」という名前で販売しているところもありますが、あまり一般に知られている名前ではありません)。 契約書には、「G026」のように、アルファベットと数字の名称で記載されますので、聞いたことの無い名称の石材だった場合には、正式名称を確認されるとよいでしょう。G906 (G026)は、「深海」という通称の通り、深海のような深いグレー系の緑色、落ち着いた風合いが独特の雰囲気をかもしだしており、中国産の石材の中では、日本で比較的人気のある石です。2000年以降、一時期大ヒットした墓石材です。糠目の緑色のものに、安価な物もあったことから、当時、数多く建立されました。当初は爽やかな緑色の石材でしたが、現在流通しているものには、濃いグレーがかったものが多いようです。本来の「深海」は、当初の緑色の濃い色目のものです。その後、腐食性金属や硫黄分を含むものが多く出回ったため、石材店から敬遠されたり、色ムラが一般のユーザーから敬遠されたりして、人気は落ち着いてきました。現在は質の持ち直しがはかられています。他の墓石材は、経年変化が嫌われますが、このG906は、年月を経るごとに深みが増し、風格を感じるようになっていく、珍しいタイプの石材です。組成は安山岩で、緑系、小目の石です。原石が玉石のため、色合わせが必要です。そのため、石材加工業者にとっては、製作の比較的難しい石材です。高級墓石としての知名度も高く、全国的に定評があります。和型墓石によく合います。見掛け比重:2.838t/m3、年間採石量:1,000m3、