
フィンランドグリーンは、フィンランド産の高級御影石です。バルチックグリーン(BALTIC GREEN)とも呼ばれます。バルチックの中の最高級の原石であり、「バルチックキング(BALTIC KING)」とも呼ばれています。フィンランドから近年輸入された石で、フィンランドを代表する石材のひとつです。淡青色系の落ち着いた色合いが特徴です。岩石名は火成岩、花崗岩、緑系小目御影石。黒い部分は黒雲母、磁鉄鋼、角閃石、白い部分は斜長石、グレーと緑の部分はカリ長石です。薄い緑の鉱物と、ごま塩状の黒雲母や半透明な石英などが交じり合い、優しく、とても上品な風合いを醸し出しています。風化に強く、歳月を経ても本来の色合いを長く保ちます。同じフィンランド産石材の「バルチック・ロイヤルグレー」に比べると石目は少し粗いのですが、大材がとれるため、外柵や石塔、長尺物にも対応しています。大きなお墓、長いお墓を建てたい方には、特におすすめの石材です。目が細かく、やわらかな色合いで、墓に向き合う者の心を落ち着かせてくれます。上品な石目と、いかにも北欧を感じさせるグリーンの色合いは独特の雰囲気を持っており、洋型の石碑にとてもよく合いますが、和型の墓石や、和風モダンな墓石にも適していると言えるでしょう。外国産の石材の中では、日本で墓石として使われている歴史が比較的長く、和型墓石としての使用例も豊富にあり、経年劣化にも強いことが証明されています。
均一性は高い方で、研磨仕上げの艶がとても美しい石です。丁場が2箇所にあるため、丁場によって石目・色合いに違いが出ます(結晶も均一に出ますが、Y丁場、J丁場で若干異なります)。硬度が高く(つまり、丈夫であるということです。石質は「ニューインペリアルレッド」に次ぐ硬度です)、安定して人気のある石です。磨き上げられたフィンランドグリーンは、本当に艶やかで、墓石としては名石と言えるでしょう。見掛け比重は2.619t/m3。年間採石量は500m3。
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「バルチック」は、バルト海のこと。ヨーロッパ北部の内海で、東部にフィンランド湾があります。「クル」は、フィンランド、ピルカンマー県の下位行政区の1つです。