
「G688」は「じーろくはちはち」と読みます。日本のブランド墓石「青葉石」(福島県飯舘村産)ととてもよくにているため、「新青葉」「中国青葉」などと呼ばれています。典型的な中国白御影石です。白と黒のバランスが、いかにも美しい中目の石材です。その灰色は、ただたんに「お墓らしい色目」というだけでなく、この「新青葉」に関しては、白黒のバランスが、色彩としてとても美しく映えています。色目には、すくなくとも3種類の違いがあります。火成岩、花崗岩、白系中目御影石です。黒い部分は黒雲母、磁鉄鋼、角閃石です。透明部分は石英、白い部分は斜長石、グレー部分はカリ長石です。硬度が高く、吸水性もある石材です。縦横の目がはっきりしていて、色合わせが難しいとされていますが、とても美しい石目です。その石目は安定しており、天然キズや玉があまりありません。近年は墓石本体にも使用されるようになってきましたが、彫刻などが目立ちにくいこともあり、外柵材で使われることが多いようです。輸入量も年々増加しています。
硬度が高く、水を吸いにくい性質ももっています。吸水率 0.169%。年間採石量 7500トンです。
中国の石は、インドの石材と同様、地名をもとにつけられていることが多く、中国の墓石は、ほとんどが「G○○○」という、アルファベット数文字で成りたっています。
最初の数字の「6」は、福建省産の石であることを示しています(ちなみに、3なら山東省、6なら福建省、17なら黒竜江省です)。残りの2桁がその省から出た石の番号で、「○番目に作られた石」「○番目に商品化された石」という意味を示しています。「G688」は、「福建省で製品化された88番目の石」というような由来でつけられた名称だと考えられます。
「G688(新青葉)」の見掛け比重:2.676t/m3に対し、福島県飯舘村産の「青葉石」の見掛け比重は2.658t/m3と、近い数値を示しています。吸水率に関しては、「青葉石」は0.107% と、福島県産の「青葉石」の方が、吸水率は低いようです。ちなみに、「青葉石」の圧縮強度は106.38N/mm2です。
中国産の、福建省の石材の場合、丁場が港に近い場合などは、それがコストダウンにつながっていることもあり、良質の石材が安価に手に入りやすいこともあります。逆に、急に丁場が閉鎖されてしまうなど、採石が中止になることもままあるので、長期的な採掘の見通し・計画を確認しながら、購入を検討するとよい石材です。