
「茨城小目」は、関東圏で白御影として多く使われる代表的な墓石材です。
綺麗な光沢があります。変色しにくいため、墓石の他、灯篭・建築材などにも使用されています。白御影石ですが、遠くから見ると、グレーに見えるのが特徴です。
「茨城小目」は、「真壁小目(まかべこめ)」とも呼ばれ、その由来は、茨城県桜川市真壁町(旧真壁郡真壁町)の東部にある、加波山の麓一帯の町、「真壁町」で採掘されことからきています。真壁町で採掘された、石目の小さい花崗岩につけられた名称です。
首都圏最寄りの大規模産地という地理的背景があり、関東地方で「御影石」というと「茨城小目」か「稲田石」のどちらかを指しています。皇居、東京駅、日本銀行、国会議事堂をはじめ、首都圏の多数の天皇陵、駅舎、皇居等、歴史的建造物などにも使用されています。また、首都圏の古くからある墓地、墓苑では、使用率が最も高い花崗岩です。
白色、もしくは、薄青、もしくは、「薄黒を帯びた白色」をしています。硬質で、吸水率が低く、堅牢な石材です。研磨すると極めて美しい光沢がでます。この光沢が優れており、その持続性もとても良いため、墓石材としては最適といえます(新品の時だけしか輝きをみせない種類の石材もあるのです)。「ねばり」と呼ばれる性質も持ち合わせているため、灯篭などの材料としても適している。角型・丸型の結晶がまだらに確認できるのも大きな特徴です。白色のものが主ですが、黒味、青味が強いものほど、高級だとされており、高い値段で取引されます。
採石の歴史は明治初期頃にさかのぼります。その後、1975年(昭和50年)頃は25件程度の採掘業者がありましたが次第に減少し、2011年(平成23年)には6軒となりました。採掘を伝承しているのは、この6軒のみです。
採石量が多いため、国産材としては価格が手頃です。しかも良質との定評があることから、関東全域での「茨城小目」の墓石使用率は、群を抜いて高くなっています。
現在は輸送機関の発達により、全国に販路が広がっています。中国産石材への不信感などもあり、全国的にも人気の高い石材です。
黒雲母、石英、カリ長石、などで生成され、その含有量と結晶の細かさの違いにより同じ真壁石でも色合いなどに違いが出ます。丸型、角型の結晶がまだらに入っているのが特長です。見掛比重:2.638t/m3、吸水率:0.233%、圧縮強度:120.000N/mm2。