
北緯60−70度の楯状地にあるフィンランドは、日本と異なり、地質がかなり古く、ほとんどが始生代・原生代の結晶質岩(29億−9億年)でできています。地形の起伏が少なく、標高500m以下の場所がほとんどですが、それは地質が古く浸食がすすんでいるためといわれています。石材のもととなっている岩石としては、ラバキヴィ花崗岩が有名です。ラバキヴィ花崗岩は、湖沼地帯と南部の森林に露出する、カンブリア時代の斑状花崗岩です(日本では唯一、足摺岬にのみ産出する花崗岩です)。卵型のカリ長石の斑昌が巨大であることが特徴のひとつです。外殻を持つものがもっとも一般的で、全体的に褐色を帯びるものは「バルチックブラウン」、斑状花崗岩のうち外殻を持たないものは「バルチックブルー(ピーテルライト)」、斑状構造を持たない等粒花崗岩のうち赤色黒雲母花崗岩は「カラリア・レッド」という名称で、同様に世界各地に輸出されています。そのほかにも、「バルチック・キング」「バルチック・ロイヤルグレー」「フォックスブラウン」などの名称の石材があります。
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