
インド産黒御影の最高級品。黒系の石の中に緑色をおびている、中間色の石です。石目の中に、小さな小さな白雲母が散っているのが特徴です。Y−1、Y−2、Y−3、Y−4など、Yシリーズがいくつかありますが、Y−1はこの中でも、キメが細かく、黒味が強く、しっとりとした艶もちのいい石です。インド産の御影石は、研磨した際の輝きが強く、丈夫で硬度の高いものが多いと言われていますが、Y−1はその中でもとくに研磨による艶の出が非常によく、しかもその艶が長く持ちます(艶の良さでは右に出る者はいないといわれています)。彫刻もよく映えます。花等の立体彫刻もきれいに出ます。独特の品のある石目と、非常に水を吸いにくいのが特徴です。岩石名は火成岩、花崗岩、黒系中目御影石。黒い部分は黒雲母、磁鉄鋼、角閃石です。透明部分は石英、白い部分は斜長石、グレー部分はカリ長石です。硬度が高く、風化には比較的強いので、長い年月が経っても変化が少ないため、石材店も安心して勧めてくれます。流れるような模様のあるものもあります。年月の経過とともに、白色の部分がうき出るケースがあり、ムラが多いなどとも言われ(産地では、ムラの多い部分を捨てており、その割合は70%以上)、サンプルだけではマイナスに評価されがちな点ですが、実際に建立されているお墓を見ると、遠くからでも見栄えのする石であり、評価が変わります。和型墓石にも、洋型墓石にも合う、使用範囲の広い石です。インド産の中間色系の石の中では人気があり、使用される量はかなり多いと言われています。
産地は、インドのアンドラプラディ州です。ハイデラバッド(インド第五の都市)から約120KM の場所に、Y-1の採掘場があります。このY-1の鉱脈は非常に長く、大型機材を投入し、建築用途の加工に適した、サイズな大きな素材も生産しています。インドの旧空港近くまで鉱脈が延びており、旧空港近くでも採掘がされていました。見かけ比重2.65 t/m3。高級感漂わせたいときは、石塔、外柵を同じ石で建てます。同じような石種の石で、やや緑の目が入った、細目のY2も人気があります。
インドのデカン高原は全体が御影石の大地になっており、中間色系ではこのYシリーズの他、Mシリーズ・Gシリーズが採掘されています。