
青みを帯びた白御影です。角閃石黒雲母花崗岩。花崗岩特有の石英・雲母・長石が、絶妙なバランスで美しい、気品のある石肌の御影石です。飽きのこない、上品でありながら華やかさも兼ね備え持っている、まるで青磁の肌のような石目です。中粒、灰白色の上等品で、小御影に近いと言われています。艶持ちがよく、変色せず、むしろ、年月が経つほどに青みが強く感じられるようになり、ますます美しくなります。墓石として建立した際の、凛としたたたずまいから、「石の貴婦人」という異名も持っています。 細粒で硬い石材です。「宮窪御影」とも言われ、鎌倉時代から南北朝時代にかけて作成された五輪塔にも使用されていました。産地は愛媛県の今治市近郊です。中国産の青御影石に「大島石」「新大島石」などの紛らわしい名前がつけて販売されていることが多いため、最近は、「大島石」のことを「伊予大島石」「伊予御影大島石」と呼んでいることもありますが、どれも愛媛県産大島石のことを指しています。愛媛県の伊予大島(今治市沖約3キロ)から採掘されることから、このような名前となっています。
関西方面・中国地方で絶大な人気があります。石の堅さと吸水性の低さでは、国内の花崗岩の中でもトップクラスです。どんな過酷な状況でも、建てたときの状態長く保ちます。石材屋さんの間でも信用を考えたら大島石、と言われています。価格には幅があり、特級品は希少価値があります。安価な物では、石目の荒い物もあります。大島石の丁場は、瀬戸内海に囲まれた、「大島」という島です。大島石の歴史は、1500年代までさかのぼり、500年の歴史を持つ石材です。江戸時代から、堅牢で美しい石として一部の人に知られてきたものが、明治以降の採石技術の進化によって、有名になりました。古くから墓石として圧倒的な支持をあつめてきた実績のある石材で、建造物にも使用されており、国会議事堂や大阪の心斎橋にも使用されています。
風化に強く、通常は、年月を経れば経るほど劣化していくものですが、大島石は、磨けば磨くほどに味わいと深みを増していく、稀な石材であり、高級建築材としてもよく知られた石材です。見かけ比重2.66 t/m3。