
唐原石(とうばるいし)は、福岡県と大分県の県境付近に分布している、小岩体の花崗岩です。福岡県豊津市(大分県境近く)で採掘される、中目の青御影石です。石質はある程度の硬さを持ち、国産の最高級レベルの硬質の石材よりは若干軟らかいのですが、加工しやすい割には吸水率が低く、石質の面ではバランスの採れた良質の墓石材です。また、艶の出も良いとされています。国産の石材、とくに青御影石の中では比較的リーズナブルで、コストパフォーマンスに優れた石材であるともいえます。
白い地の色に、淡いピンク色を帯びており、桜の花弁を散らしたような目合いは、他の石材には無い特徴の一つです。色は比較的濃い目ですが、上品な風合いの石材で、全体的にやわらかでやさしい印象の風合いをしています。他の石材との比較では、大島石・青木石よりは色が白っぽく、全体を比較してみると見ると唐原石の方が薄く茶色がかってみえます。
外観のよい石材は、往々にして石質か耐久性のいずれかが著しく劣っていることがありますが、その点で唐原石は優秀な石材といえます。
中目ですが、どちらかというと目が粗く、白点・黒点が大きく入ることもあります。紫外線による色褪せが若干あります。採掘時期によっても、原石の状態に差がありますので、実物を見て購入されるとよいでしょう。墓石以外にも、モニュメント等に使用されており、四国では、最東端蒲生田岬の蒲生田岬モニュメントに使用されていますので、実際の石質を触れて確かめることができます。墓石に美しさ・華やかさが欲しいとき、選択肢のひとつにしたい石材です。石材の歴史は古くなく、近年出回ってきた、人気が上昇しつつある石材です。