
新潟県妙高市の新井地域で産出される安山岩です。その名前のとおり美しい千草色(若草色・もえぎ色)で、時間が経つと薄茶色に変化します。全体としては落ち着いた薄い灰色です。吉縁の石として知られており、肌目が美しいのが特長です。新井市内の白山神社の石鳥居の他、高速道路の新井サービスエリアの敷地に並べられている石も千草石です。故・田中角栄のお墓にも使用されました。
硬質で、研磨により艶が出ます。妙高市の特産であり、さまざまな用途に使われています。新井市内を通る北国街道は、かつて佐渡の産金を江戸へ運ぶための交通の要衝であったため、新井市は街道沿いの宿場町&石屋街として栄えた町でした(今も面影を残しています)。古くから墓石としても多く利用され、新井市には石材業者が多く存在しています(大崎町というところは、石屋街とも呼ばれています)。
墓石に使用される石材は大きく分けて2種類あり、最も多く使用されているのは花崗岩です。花崗岩は、地下の深いところで高圧を受けたマグマがゆっくり冷却した岩石で、結晶になっています。安山岩は花崗岩と違い、マグマが地表に噴き出し急速に冷えて固まったものであるため、十分に結晶していません。そのため花崗岩より軟らかく、加工しやすいメリットがあります。安山岩は、花崗岩の次に多く産出される石材で、千草石は墓石用に広く使用されている安山岩として、宮城県の「伊達冠」とともによく知られています。