
備中青みかげ(びっちゅうあおみかげ)は、岡山県の南西部・備中(矢掛町)で採石される御影石です。石質は閃緑岩で、矢掛青みかげ、讃岐青みかげ、飛鳥石、青みかげ等、さまざまなネーミングで呼ばれています。美しい青緑色をしており、自然光の中で見るととくに美しく、深緑色と黒色との深みのある色調をしています。
矢掛町は、岡山県倉敷市の西北15km地点にある、小さな山あいの町です。
町の中心を東西に小田川という川が流れ、江戸時代には五大街道のひとつである「山陽道」が通っていました。備中青みかげの原石は、山の頂上からワイヤーとロープを使って、小田川の反対の岸におろすという方法で採石されています。
関東・中部から、西は関西・山陰・四国まで、広範な地域で高級な墓石材として使用されています。古くからある墓地を訪れると、昭和50年頃に建立された備中青みかげ石で造られた墓石がよくみかけられますが、現在でも飽きのこない美しさが保たれています。東京都内での利用も、40年以上前から多くあり、都営小平霊園・都営多磨霊園・都営八柱霊園(松戸市)などの都営霊園や各市営霊園で使用されています。
長い年月風雨にさらされても光沢を失うことなく、むしろ風格を増していく石材です。
年間採石量は多くなく、約500トンで、現在は1社のみが採石を行っています。
墓石以外にも、公園・土木・建築・記念碑・歌碑・オブジェ、その他石工事など、様々な用途で使われています。