
高太石(こうたいし)は、福島県伊達郡川俣町で産出される石材で、浪江町と川俣町の境界に位置する高太石山(こうだいしやま・863M・阿武隈山地)に採石場があります。高太石山は、花崗岩におおわれた山で、かつては「広太石山」「弘太師山」とも書かれていましたが、石材の名称は「高太石」です。
深い青味の美しさが特長で、黒玉が少なく、石目は整っています。大材も採れますが、どんな大材でも石目が整い、安定しています。
そのため、石碑、外柵材を全て高太石で造っても石目が揃います。硬質でつや持ちがよく、産出量も安定しており、その点で、信頼のおける石材です。吸水率も低く、耐久性に富んでいます。新潟〜日本海側の塩害でもサビが出たことはなく、寒冷地での凍結による破損の事例もありません。
福島県は、質の良い花崗岩が大量に産出される日本有数の石材の産地ですが、どの種類の石材も、その石目の美しさ・艶もちの良さに定評があります。その福島ブランドの石材の中でも、とくにこの高太石は石目が美しく、品格があり、宮内庁の厳しい審査基準をクリアして吹上御所の石張りに使用されたことは有名です。
磐梯御影石(宮城県伊具郡)、青葉御影石(福島県相馬郡)、紀山石(福島県いわき市)、黒森御影石(福島県田村郡)、滝根御影石(福島県双葉郡)、都石(福島県田村郡)、深山ふぶき(福島県田村郡)とともに、福島県を代表する良質な青御影石です。
見掛け比重2.64t/m3、吸水率0.19%、年間採石量36,000切(1,000m3)、開発面積8町歩(約80,000m2)。
なお、同じ「高太石」の名称で販売される中国産の石材とは別物です。購入の際は、加工記録で確認するとよいでしょう。