
白石島みかげ(しらいしじまみかげ)は、岡山県笠岡市の白石島から採掘される石材です。岩石分類は花崗岩です。ほんのり桜色がかった、上品な美しさを持つ白みかげです。瀬戸内海には、犬島、北木島、讃岐広島、小豆島、黒髪島、大津島、伊予大島など、石材の産地として有名な島がいくつもありますが、そのうちのひとつである白石島は、笠岡諸島の中の島で、北木島のすぐ近く、笠岡港から南へ数十キロ沖合にあります。周囲12km、面積2.86km2の小さな島です。
白石島は、北木島とわずか700メートルの距離にあり、同じ笠岡諸島に属する高島とも岩盤がつながっており、石質もたいへんよく似ています。そのため、北木島、白石島、高島の三つの島で採掘される石材を総称して北木石と呼ぶこともあります。白石島みかげは、北木島で産出される北木石とよく似ており、赤色系と白色系の二種類の色があります。石質は均質で硬く、造園や石塔のほか、上質な墓石材として使用されています。赤色系のものは北木石の細目の赤よりも目が粗く、色が濃いのが特徴です。
同じ岡山県の万成石とも色味がとてもよく似ていますが、白石島みかげの方が石目は小さ目です。
安価な外国産の石材におされて、近年ほとんど採掘されなくなった希少な石材ですが、変色が少なく、日本の風土に合った墓石材です。
島内には、鎧の垂直の模様をした巨大な花崗岩でできた「鎧岩」(国指定天然記念物)、大玉岩、 はと石など、奇石・巨岩の間を散策できる遊歩道があり、白石島産の花崗岩を間近に見て、質感を確かめることができます。