
草水みかげ(くそうずみかげ)は、新潟県北蒲原郡安田町で産出される花崗岩です。安田という地域で産出されることから、「安田石」と呼ばれることもあります。赤と青の2種の色調を持った石材です。その名の歴史も、岩石自体の歴史も古く、9000万年前、白亜紀の黒雲母花崗閃緑岩が草水みかげになったと言われています。また、白亜紀の草水花崗岩は、現在の沿海州付近にあったということがわかっており、産出される場所によって少しずつ成分や色が異なります。一例として、村杉温泉付近で産出される花尚岩は、黒雲母アダメライトと一連になっており、草水付近で産出される淡赤色のものよりも色が薄くなっています。中粒で、硬度の高い石材です。玉石で採れることから、採掘量は多くありません。
産出される場所によって色が異なることや(黒っぽいもの、濃い色のもの、など)、時間の経過によって変色することもあることから、色合わせ・目合わせがたいへん難しいと言われています。しかしながら、草水みかげは、国会議事堂の中庭の通路にも使われており、石材としての質の高さは折り紙つきの揺るぎないものです。昭和11年竣工の国会議事堂は、その数十年前から建設計画を練り上げていった中で国産の石材にこだわり、全国から質の高い石材を取り寄せて使用しました。国会議事堂の外装用石材には、草水みかげのほかに、外廻りの1階部分は黒髪石(くろがみいし・山口県黒髪島産)、外廻りの2階以上の部分は議院石(ぎいんせき・広島県倉橋島産)が使用されています。