
和田山石(わだやまいし)は、白色系花崗岩で、福島県を代表する銘柄のひとつです。
福島県いわき市の北西部、いわき市川前町付近で産出され、福島県では、青葉御影、滝根御影と並んで採石量の多い石材です。中目石でむらがなく、品質が一定しています。墓石としての利用が主体ですが、堅さ、艶持ちがよく、建築用資材としても幅広く用いられています。白黒の色目がはっきりしているのが特徴の白御影石で、風化がほとんどなく、大材を容易に採ることができます。品質は比較的均一で、大材でも色・石目ともに均質で安定しています。石の量も豊富にあり、石の割れも良く、福島県内の他、新潟県、山形県、秋田県の各県に販売されています。
福島県のいわき市〜田村郡小野町にかけては、広い範囲で阿武隈山地を構成する白亜紀の黒雲母花崗岩(火成岩の一種で、有色鉱物として黒雲母を含む花崗岩)が存在しており、地域によって性状が少しづつ異なるため、それぞれの違った名称で採掘・販売されています(伊達冠石、中山石、浮金石、深山ふぶき、羽山石、吾妻みかげ、芝山石、など)。「和田山石」として出荷されているのは、いわき市川前付近で採掘される白系の花崗岩です。以前は石材(墓石・外柵など)が主体でしたが、現在では骨材用砕石・砕砂としても多く出荷されています。見掛け比重:2.665t/m3、吸水率:0.116%、年間採石量:墓石/36,000切(1,000m3)、一般骨材/30万m3。兵庫県氷上郡より産出され庭石・川石の飛石として多用されている「和田山石」とは別のものです。