
黒森御影(くろもりみかげ)は、福島県の阿武隈山系小野町黒森地区にて採掘される青御影石です。青御影とは、淡い青色の花崗岩や閃緑岩のことで、現在、白御影とともに、日本の代表的な墓石材料となっていますが、黒森御影は、磐梯御影石(宮城県伊具郡)、青葉御影石(福島県相馬郡)、紀山石(福島県いわき市)、高太石(福島県伊達郡)、滝根御影石(福島県双葉郡)、都石(福島県田村郡)、深山ふぶき(福島県田村郡)等と並び、福島県を代表する青御影石のひとつです。石材業界の専門誌『月刊石材』発行元である、株式会社石文社が出版した、「世界の銘石・石材カタログ235」にも収録されています。
福島県の中心部を南北に縦断する阿武隈山系の山は岩盤が硬く、この地から産出される石材は、高品質の石の総称である「ふくしまの石」というブランド名で呼ばれています。吸水率が低く、硬度が高く、色艶ともに永年の風化にも耐えられると言われています。
いわき市〜田村郡小野町の地域には、白亜紀の黒雲母花崗岩が広く存在し、阿武隈山地を構成しています。地域によって岩石の性状が少しづつ異なり,それぞれに違った名称で採掘・販売されています。
黒森御影は、白系の青小目石で、切削しやすく光沢がよいのが特徴です。
品質が安定しており、高級石材として主に墓石・石造外柵に用いられています。昭和32年より創業された「有限会社佐藤石材」が、二代にわたって黒森御影の採掘加工販売を行い、全国各地へ出荷しています(年間採石量:15,000切)。注文に応じ、墓石の他、長物、彫刻材などにも対応してくれます。黒森御影は、建築材などにも使用されているほか、原石、自然石の玉石なども出荷されています。品質が安定していることから、他の石材と比べ、原石としての出荷量が多い石材です。