
額田中目石(ぬかたちゅうめいし)の岩石分類は花崗岩です。岡崎市には、優良な花崗岩がいくつも採掘されますが、「小呂青石」「吉祥石」「宇寿石」と並んで銘品とされているのが額田中目石です。岡崎の御影石の中では、供給・品質の安定性と利便性において、高い評価を得ています。年間採石量:33,000才と言われ、大材も可能で、大物から、墓石、彫刻など幅広く使用されています。
土木材や外柵、造園にも使用されています。粘りのある石質のため、とくに彫刻に適しており、彫刻材としては長い歴史を誇っています。白系グレーで石目が細かく、硬度はそれほど高くありませんが、墓石として全く問題のない品質です。見掛け比重:2.67t/m3、吸水率:0.2%。よく似た他の石材との比較では、同じ額田町で採掘される石材のうち、大高味地区で採掘される大川石よりも目が細かいと言われています。
他に、同じ額田町で採掘される石材には、夏山石(※1)、白石(※2)などがありますが、墓石よりも主に石像・灯篭などに使用されています。
(※1:夏山石も石目が細かく、粘りがあり、細かい加工に向いている石材で、石像[仏像・狛犬など]、灯篭などに使用されています。長尺物も採れるため、記念碑や石鳥居にもよく使われています。水を吸いやすいのですが、苔などがのりやすいことは、灯篭などに使用される場合には石としての味が出やすいメリットとなります。夏山石は近年採石量が減り、原石価格が上がっています。
※2:白石は、夏山石や宇寿石が若干風化したものの総称です。主に加工して灯篭・水鉢などに使用されています。細かい石目で、御影石の中では比較的石が軟らかく、吸水性が高いため、加工することによって、石肌がいっそう柔らかい感じになります。苔がのりやすいことで、日本庭園によく合い、着色して使用されることもあります。比較的安価な石ですが、現在白石はほぼ採石ができなくなっています。)