青石は、アルミニウム・鉄・マグネシウムの含水ケイ酸塩鉱物を主成分とする緑泥石が、地中深くで地殻変動などによる「動力変性」を受けて出来上がったもので、学術的には「緑泥片岩(りょくでいへんがん)」に分類されます。青石は「緑泥石でできた、薄くはがれやすい結晶片岩」であり、全国各地の地殻変動が顕著な所に産出します(伊勢青石、紀州青石、伊予青石など)。四国では徳島県と愛媛県に産出します。阿波青石(あわあおいし)は、剣山系一帯から採石されており、青系の石が多いことからこの名前で呼ばれるようになりました。
しかし、実際の石の色は青ではなく、緑色もしくは黒緑色をしています。ガラス光沢か真珠光沢があり、うろこ状・葉片状をなしています。板状に割れやすい特徴があります。
石目が通っており、磨き加工をすることで、表面に色の濃淡によるムラのような模様が浮き出てきます。また、その色は水に濡れると濃く際立ち、独特の風合いが出ます。古い物には苔がついていっそう風合いが増し、阿波青石のつくばいなどは、水との組み合わせで日本庭園に非常によくなじみます。
石材の用途としては、昔は石垣によく使用されていましたが、現在は造園や土木外構工事が中心で、他に玉砂利、飛石、敷石、貼石、庭石、ガーデンテーブルなどに使用されています。
墓石の関係では、古来は古墳の石室などに使用されていましたが、現代では霊園用物置台によく使用されています。
阿波踊りのはやしことばに「大谷通れば石ばかり、笹山通れば笹ばかり…」と阿波の青石のことが読みこまれてるほど、地元の人に親しまれてきた石です。眉山や徳島城跡の城山などでも見ることが可能です。