
内垣石は、福岡県京都郡犀川町で採掘される、薄青味を帯びた花崗岩です。九州には花崗岩が少ないため、大島石と比較される銘石としてよく知られ、天山石の代替品としても使用されます。しかしながら、年間の採石量はそれほど多くなく、希少価値の高い石材でもあります。九州では北九州〜宮崎・鹿児島方面への需要が多くあります。また全国的にも、茨城県産出の羽黒青糠目石、神奈川県産出の相州本小松石、などと並び、日本の三大最高級銘石と称されています。
石目は細かすぎず粗すぎない中細目で、均整のとれた石目が美しく、濃いグレーです。石質の緻密な部分は青味が濃く、上質とされています。輝くような美しい艶が、青味を帯びたきめ細かい石目を際立たせます。
吸水率の低さは日本一です。細粒で硬度が高く、雨による変色が少なく、日光にも色褪せない特長があり、墓石に加工してから10年経過しても変色が無いと言われています。90%が墓石材(竿石、台石)として使用され、10%が門柱・玄関の張石材用に使用されている、墓石に適した石材です。
採掘の歴史は大正8年にさかのぼり、当時は主に内塔に使われていました。比較的歴史の新しい石材ですが、その品質には定評があり(採石される時期によって原石には石ムラ・石キズが出ることがありますが、品質はしっかり管理されています)、九州で評価を得て、全国的にも有名になった高品質な石材です。国内の石材の中では、耐久性と美しさのバランス面において最高峰に位置しています。