
「河北山崎」は、中国の河北省を原産地とする石材で、「かほくやまざき」と読みます。「中国山崎」の代替として有名な、輸入御影石の一つです。「泉光」「雪花泥」「9488」などとも呼ばれています。「ロイヤルグレー」という名前でも流通しています。「ロイヤルグレー」という名前の石フィンランドにもありますが(フィンランドのクルを産地とする「バルチック・ロイヤルグレー」)、「河北山崎」とは別のものです。
また、日本の山梨県にも「山崎石」と呼ばれる高級ブランド石材がありますが、「河北山崎」とは別のものであり、産出量も少ないため、墓石としての利用は多くありません。この「山崎石」と風合いが似ていることから、「河北山崎」と呼ばれているようです(ちなみに「山崎石」は、サントリーの山崎蒸留所で有名な山梨県東八代郡石和町山崎の産出)。
目が細かく、色の濃いものが好まれており、中間色で人気があります。グレーの色目と、繊細な石目が「お墓らしい」と人気の墓石です。日本で長く使われている、使用実績の長い石で、石質としては、艶持ちが非常によいと言われています。火成岩、花崗岩、グレー系小目御影石。丁場によって石目・色合いが大きく違ってきます。黒い部分は黒雲母、角閃石・磁鉄鋼、透明部分は石英、白い部分は、斜長石、グレー部分はカリ長石です。比較的安価なわりに見た目がよいことも人気の大きな理由です。雨による色変わり・経年変化は、それなりにあるようです。
産出量は比較的安定している方ですが、減少傾向にあります。小目のものは若干値上がり傾向にあります。中間帯〜やや高めの価格帯の石材の中では、「福清緑(別名670)」「アーバングレー」と並んで人気の高い石です。028系と903系があり、028系の方が濃い色で、吸水性もやや高めです。
「河北山崎」は「G011(中国山崎)」の代替としても人気があります。中国山崎と違い、大きな原石も採掘されるので、大材をとることも可能です。そのため、石塔だけでなく外柵にも使われます。外柵・石塔の両方を同じ河北山崎で建てると、重厚な統一感が出ます。関東では主に石塔用として使用されています。地域性としては、青森県、岩手県、宮城県でも人気があります。
きめの細かい粒子を持っており、彫刻も目立ちます。和型石塔・洋型石塔・デザイン墓、いずれにも使用可能です。