ご先祖様が眠るお墓。建立したばかりのものは光沢がありピカピカです。
墓石に使われる石は、吸水率が低く硬度が高くて耐久性に優れているので、大理石などに比べるとかなり丈夫です。
しかし時間が経つにつれ次第に汚れていきます。そのクリーニングの仕方について説明します。
バケツに水を汲み、道具と洗浄剤などを用意し、周りの墓石が汚れないよう養生シートで覆っておきます。塔婆や仏花などもよけておきます。
まず最初に敷地内を清掃します。落ち葉を集め雑草を刈り、植木の剪定をします。
砂利が汚れていたらザルにあけて水洗いします。
そうしたらまず、小さなほうきでホコリや砂土を墓石の一番上から順々に下に払います。
そして乾いた習字用の筆で、文字彫刻の凹みの汚れを奇麗にはらいましょう。
次に墓石を水で洗います。墓石の上部からバケツの水を柄杓ですくってかけ、その後スポンジに水を含ませて水洗いをします。
苔もこの時点で取り除ければ、石が長持ちするでしょう。ただし水洗いでとれる汚れはごく僅かです。あくまでもその後使う洗剤の量を少なくするためです。
墓石の表面がツルツルとした鏡面仕上げになっている場合は、それ専用の墓石スポンジを使用したほうがよいでしょう。
もし可能なら、水を利用した高圧洗浄機で洗うと、その後の洗剤も要らずに一気に綺麗に出来ます。
次に石材専用の洗剤をつけて洗います。石の種類と汚れの種類によって、洗剤を使い分けます。
墓石全体用のものや鏡面仕上げ用、青苔除去用やサビ取り用など、いくつかの種類があります。その際、必ず目立たない箇所で試してから行なって下さい。
スポンジで擦る際は、お風呂で垢を擦り取るように細かく「シャカシャカ」と繰り返す感じで行なうとよいでしょう。
頑固な汚れにはタワシを使用してもよいですが、金属タワシは墓石を傷つけ、付着した金属がサビの原因になるので避けたほうが無難です。
「墓石専用タワシ」というものがあるので、使うならそれを使ったほうがよいでしょう。
文字彫刻の凹みの部分は歯ブラシで磨きますが、これも専用の「溝洗いブラシ」というのを使ってもよいでしょう。
文字彫刻は墓石の最も重要な部分ですので、決して欠けたりしないよう、細心の注意を払って行なって下さい。
これでも落ちない頑固な黒ずみや染みがあれば、水で濡らしてから、専用の洗剤とスポンジを使って落としましょう。
墓石のヒビや欠けた部分は特に丁寧に洗い、そして早めに業者に頼んで補修してもらいしょう。
そうでないとヒビや欠損はどんどん拡大していきます。
そしてよけておいた花筒や線香皿などのステンレス製の小物類も、長細いスポンジなどで中を洗います。
最後に再度上部から水をかけて全体を洗い流し、乾いたクロスやタオルで全体の水を拭き取って、塔婆、お花、お線香、お供物などを元の位置に戻したら、クリーニングの完了です。
周りの墓石の養生を外せば、全て終了です。
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