近年、少子高齢化が進み核家族が増えたことで、葬儀やお墓の考え方がかわってきました。代々お墓がある場合はお墓に入ることも考えられますが、お墓の手入れもあり、子どもに迷惑をかけたくない、独特な雰囲気がなじめないなどの理由や、自分らしくやりたい、自分の好きなものに囲まれたい、などオリジナリティを求めるようになってきました。そのひとつの方法が「散骨」です。
埋葬の際、通常は遺骨を地中に納めますが、散骨は、海や山に骨をまきます。昭和23年に制定された墓埋法では、「埋葬や焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行ってはいけない」とあります。その当時、散骨という概念がなかったため、法律の対象外と解釈されています。
しかし、どこへでも散骨していいわけではありません。散骨するにあたって、周辺への配慮、家族の同意、分骨をしてお墓へも骨を入れるのか・・など、詳しく決めたり考えたりする必要があります。海や山にまくことを選択する場合が多いのですが、その場合も注意が必要です。信頼できる業者にお願いするのが良いでしょう。
骨を骨とわからないように2ミリ以下に粉砕すること。また、粉砕したものを水溶性の紙で包むこと
漁場、海上交通の要所は避けること
陸地より約3海里離れた沖合でおこなうこと
また、山への散骨にも、粉砕をすることが必要です。その土地の所有者と話し合う必要があり、勝手にまくと、トラブルのもととなります。また、穴を掘って埋めると、埋葬にあたります。土をかぶせたり、落ち葉をかぶせても墓地埋葬法違反になりますので、注意が必要です。
散骨証明書の発行
遺骨の粉砕費用
交通費などの費用
散骨はお墓を建てるより、安くすみますが、上記のものがかかってきます。他には、献花代、写真代、料理代などオプションでかかってきます。また、海洋葬の場合、船を用意しなくてはなりません。海洋葬には以下の3つの方法があり、それぞれ費用が違います。
委託・・・ その会社に、代行して行っていただく。立会はない。4万円ぐらいから。
合同・・・ ほかの家族と一緒に行う。1家族の乗船は2〜3人程度。10万円ぐらいから。
チャーター・・・家族で船をチャーターする。日時の指定もある程度可能。費用は25万円ぐらいから
散骨が決まったら、業者を探しお願いしますが、その際、火葬後にいただいた、「埋葬許可」(火葬許可書)の写しが必要です。また、お寺からの場合は「改葬許可書」の写しが必要となります。 本人の意向とはいえ、まだまだ日本ではお墓に納めるのが一般的です。お墓がないと、残された家族はよりどころがなくなり気持ちの整理がつかないこともあります。遺骨が複数あると良くないという、言い伝えがありますが、それぞれの家族に分骨したり、ペンダントなどに加工することも可能です。生前から、家族や親せきとよく話し合うことが、大事なポイントといえます。
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