墓地を購入する際には、様々な疑問が湧いてくるものです。
墓石のデザインと言えば、多くの方が長方形というイメージを強く持たれているのではないでしょうか。
実は墓石には形もさまざま、豊富なデザインがあります。最近ではこうしたデザイン墓石も増えてきていて、多くの方が利用されています。
最近流行しているデザイン墓石、気になっている方も多いと思います。しかしどこで購入できるのか、費用はどれくらいか、どんなデザインができるのかなど、いろいろ知っておきたい情報があるのではないでしょうか。
ではまずどんなものをデザイン墓石というのでしょうか。
デザイン墓石は、和風のいわゆる長方形でもなく、洋風の平べったい形のものでもない、それ以外のいわゆる石材店が趣向を凝らして作った墓石を指します。
現在は墓石を個人の個性を表す記念碑ととらえる方も多く、そうした意味合いを込めてデザイン墓石を注文される方が増えています。
代表的なデザイン墓石は、例えば女性の場合は女性らしさを表す角の取れた丸いデザインが採用されることが多く、逆に男性の場合は雄大さを体現する角が強調されたデザインが多くなります。
このようなデザインによって、価格はもちろん耐久性も変わってきます。加えて素材の風合いや色合いにも個性が現れるため、オーダーの際にデザインよりも素材感で選ぶ方もいます。
デザイン墓石には既製品にあたる、あらかじめ作られたいくつかのデザインパターンを踏襲したものと、お客さんの好みを聞き、墓石の形からデザインを行うオーダーメイドのものがあります。
オーダーメイドと言っても完全なオーダーメイドができる場合とそうでない場合があり、前者は石や絵柄のデザインを組み合わせて作ってもらう形になります。
最近増えてきているデザイン墓石ですが、まだ注文できるところは少なく、完全オリジナルの墓石が注文できるお店はさらにまれです。根気よく探す必要がでてくるかもしれません。
また、デザイン墓石を作る際は石材店だけでなく、墓石を置くことにあるお墓、霊園への問い合わせや現地確認が必要です。
和風の墓石のみというお寺もありますし、お墓の立地が狭いとデザイン墓石が置けない可能性もあるからです。
霊園についていえば、全体の景観も重要視するケースが多く、和風限定、洋風限定といった制限があることも少なくありません。
デザイン墓石をどうしても作りたい。ご本人が存命中にそうしてもデザイン墓石を作りたいというご希望がある場合、もう一つクリアしなければならないハードルがあります。それはご家族の理解です。
デザイン墓石が建っているところをご自身で確認するのはほぼ可能です。墓石に手を合わせ、お墓参りをするのはご家族ですから、そのご家族が反対すればデザイン墓石にする意味はあまりありません。
反対を押し切って作った墓石や、印象がよくない墓石は、悪いともすればご家族をお墓から遠ざけてしまう要因になってしまうかもしれません。
デザイン墓石の種類は、いくつか定番と言われるものがあります。
デザインベースを横長の洋型墓石にし、その墓石の上の部分を丸みのあるデザインに加工するパターンです。シンプルなデザインなだけに、周囲のお墓に溶け込みやすく、違和感はあまりありません。このパターンは周囲とちょっと差をつけたい方に好まれるようです。
最近流行しているのがガラス素材を使った墓石です。強化ガラスを使い、耐久性のある墓石で、赤や紫、緑などの色味を選べるデザインになっています。墓石と組み合わせられるので、人とは違うオリジナルの墓石がデザインできます。女性を中心に人気になっています。またデザイン面のきれいさだけでなく、ガラス素材そのものの透光性も魅力の一つです。昼と夜ではまったく印象の異なる墓石になります。
石畳や階段を作り、墓石もこだわりのあるものを配置する、デザイン墓石というよりもデザインお墓といった趣向のものもあります。スペースが広くとれる場合に有効なデザインといえるでしょう。
ピアノが好きな方にはピアノの形を模したデザイン墓石もあります。
グレーの墓石にはどこか冷たい印象を持たれる方もいらっしゃると思いますが、墓石をピンクや茶色などに変えた温かみのあるデザインも一つの形です。こういった墓石は女性に人気があります。
デザイン墓石には大まかに、既成デザインを利用する場合と完全オーダーの墓石をデザインする場合と2種類のオーダーパターンがあります。
前者の場合、平均費用は180万円から200万円程度です。完全なオーダーメイドの場合は250万円程度が目安となります。既成デザインのだいたい3割りから4割り増しの値段であると覚えておくとよいでしょう。もちろんこの費用目安は平均的なものですので、製作期間が長くなればなるほど、また素材にこだわればこだわるほどコストは上がっていきます。
ちなみにデザインされたものには著作権があるので、ほかの方の墓石を指してこれと全く同じものを作ってほしい、あるいは別の石材店が作った墓石と同じものを作ってほしいというオーダーはできません。ほかのデザインはあくまでヒント程度にして、あくまでオリジナルのものを作っていきましょう。
デザイン墓石を作ってくれそうな石材店をどのように探していくか、そのコツをご紹介します。
まず既成デザインの墓石の場合は、そのデザインを扱っている業者をご自身で探す必要があります。現在は石材店もホームページを持っているケースが多いので、そちらにアクセスして調べておきます。
完全にオーダーメイドの墓石を希望される方も同様に、ホームページにアクセスしてチェックしてみるとよいでしょう。
チェックしていくとお店ごとに個性があり、扱っているデザインが違うことがわかると思います。気に入ったデザインを見つけて、直接石材店に問い合わせをしてみましょう。
ちなみに墓石を注文するときは、実際の墓石やデザイン、そのほかの要素を含んだ見積もりを取ってもらいましょう。後でオプション費用といった形で請求されるとトラブルのもとになります。
また通常どんな手入れが必要か、どんな手入れをしておくとよいかをしっかりと聞き、また耐久性に問題はないのか、万が一地震などが起きて倒れた場合の壊れにくさなど、見解を聞いておくと安心です。実は組み合わせによって、また石の材質によっては通常よりももろくなりやすいパターンもあります。
希望のデザイン墓石を作るコツはしっかりとご自身の希望を石材店に伝えることです。イメージを共有するため、検索エンジンの画像検索を使い、デザイン墓石 と検索してみてください。
日本全国のデザイン墓石が出てくるので、お好みのものを選び、自分の理想とするデザインがどのようなものなのか固めていきましょう。
冒頭でも書きましたが、墓石は人となりを表すものなので、自分はどんな人間か、まわりからどのように思われているかを想像したり、親しい人に聞いたりしながらイメージを膨らませていきます。
ご自身の趣味のものを盛り込んだデザインにするのもありです。ゴルフが好きな方ならクラブやボールを、山登りが好きな方なら山に関連したものを、楽器が趣味の方はよく弾く楽器のデザインを盛り込んでいくとよいかもしれません。
デザイン墓石購入の流れをご説明します。
まずホームページなどでデザイン墓石を扱っているお店を見つけたら、石材店を訪ねましょう。
石材店でデザインの相談をし、石の種類や彫刻の有無、どんな彫刻をするかを決めていきます。
その後、デザインモデルの墓石がお墓に入るかどうかを計測するため、墓地へ計測に行きます。どのようなデザインなら設置できるかを加味し、墓石の大きさが決められていきます。
その後、業者から正式な見積もりをもらいます。繰り返しになりますが、この見積もりはすべての費用を含んだものである必要があり、漏れがないかしっかりと内容をチェックしましょう。
見積内容、工期などに問題がなければ契約です。目安としては約4ヶ月〜半年で、文字の彫刻や墓石の加工といった墓石のデザインは、石材店で行われ、後日お墓に設置となります。墓石の設置完了で、工事は終了です。
ここまでデザイン墓石についてご紹介しました。デザイン墓石はお墓に個性を出すことができるものですが、作る際には必ずご家族に相談し、同意を得ておくことが大切です。
また制作には一定期間かかるため、早めに計画を立て、デザインを考えるなどしておくとスムーズです。