人生でもっとも高額な買い物のひとつが「お墓」です。
大事な買い物なのは分かっていても、専門知識は無いですし、不安ですよね。
国民生活センターによると、墓石購入の相談件数は年間1500件ほどで、葬儀の相談件数よりも多いそうです。
この記事では、墓石の購入で失敗しないために気をつけることや値段の内訳についてご説明します。
従来の家族葬だけでなく、合祀墓や永代供養墓、散骨、樹木葬等さまざまな埋葬方法が出てきました。
この中で自らお墓を選ぶ必要があるのは、家族葬と永代供養墓です。
先祖代々続く一般的なお墓です。
血縁によるお墓なので、ある程度は自分たちで管理していく必要があります。
初期費用が平均で150万円かかるほか、年間の管理費・維持費が1万円前後かかります。
血縁に関係なく作られたお墓です。
合同のお墓ではありますが、名前を刻めるタイプもあります。
管理者が管理してくれますので、家族が管理できなくても綺麗な状態を保てるのが特徴です。
生前申込も可能で、約束をすれば知り合いと同じお墓に入ることもできます。10万円前後と比較的安く済みます。
最初にお金を納めていると、年間料を払う必要はありません。
管理者がその後も管理してくれます。檀家になる義務はないので、お寺との繋がりが薄くても大丈夫です。
ただし、「永代」と言っても何百年先まで永久的に供養してくれるわけではありません。
ほとんどの場合、33年で合葬されます。費用は10〜100万円と幅が広いです。
海や山に遺骨をまくもので、自然葬とも呼ばれます。
遺骨を砕くため、心理的に抵抗のある人もいるでしょう。
遺族で集まって散骨する場合は20〜30万円、遺族は同行せずに業者に任せる場合は2〜5万円程度と比較的安めです。
山林や霊園で木の下に埋めるものです。
生前申込可能で、永代供養の一つです。
価格も10万円程度と安く、「自然の一部になりたい」「自然に還りたい」と考える方に人気です。
「お墓を購入する」とは言いますが、具体的には永代使用料、墓石代、管理料、納骨代があります。
土地の借料です。支払先は、寺院や霊園などがあります。
地方の墓地や霊園は安く、民間の墓地は高い傾向にあります。
地方は50〜100万円程度ですが、東京では150万円前後することも。場所によって値段が大きく異なります。
石塔や外柵等を含めた料金です。
墓石本体は100〜200万くらいが多く、工事費は10〜20万円、彫刻は3〜10万円ほどするのが一般的です。
墓地の共用部分の清掃や維持管理費です。
民間の墓地や寺院は年間1万〜1万5000円、公営の墓地は5000円以下が多いです。
一括で支払うこともありますが、基本的には毎年払います。
法律によって「墓地は普通の土地とは扱いが異なる」と定められています。
そもそも墓地は新しく購入するのではなく、永代使用権という権利を買うことになります。
また、お墓用の土地なので、ほかの用途として使うことは認められていません。
「永代使用権を購入したけど、やっぱりお墓を建てるのはやめた。物置にしたい!」は不可能です。
一定の区画の使用権のことです。
「お墓を建てる土地を購入した」というのは、永代使用権を所持していることを指します。
「土地を購入した」と言っても、所有権を持っているわけではないのです。所有権自体は寺院や土地の管理主が持っています。
永代使用権は、契約で明記されていない限り売却もできません。
「いらなくなったから誰かに売ろう!」は、不可能です。理由は、区画ごとに所有権を持たせて売買をすると、管理が煩雑になるからです。
個人で土地を売買することはできません。手放したい時は、所有権者に返還します。
返還時の注意事項が2つあります。
理由は、永代使用料は法律上「寄付」として扱われるためです。
「寄付は善意でするものなので、返還するのはおかしい」のです。
「土地を返したいので墓石も適当に処理しておいてください」は、できません。
墓石を撤去する必要がありますので、返還時には撤去費がかかります。
また、お寺を離れる場合は離檀料がとられることもあります。
契約する段階で「返還時にかかる料金」を確認しておきましょう。
立地や広さによって大きく変動します。全国平均は70万円前後ですが、東京都港区では1.6平方メートルで480万円もします。
23区は価格が非常に高い上に、一つ一つの区画が小さいです。
全国2位の神奈川県でも100万円を切るので、港区はきわめて高いと言えます。
広い土地を持ちたい方は郊外の墓地を探しましょう。
次の理由により土地代が大きく異なります。
墓地の種類は、主に自治体の公営墓地、宗教法人の寺院墓地、民間の民営墓地があります。
自治体の公営墓地がもっとも安いのですが、競争率も高いので入手するのは難しいです。
地価やアクセスによって値段も変動します。
アクセスが良くないとお墓参りに行けませんが、アクセスが良い便利な土地は高いです。
バランスを考えましょう。
土地が広いほど墓石や外柵に使う石材も増えます。そのため、土地が広いと土地代以外も高くなっていきます。
自分でお墓を建てずに、血縁のない人と合同で入る合祀墓や樹木葬の認知度も高まってきました。
この場合、すでに用意されている場所に入るので、新たな土地は必要ありません。
ネットでの一括見積もりとは、業者を通して石材店を紹介してもらう仲介サービスのことです。
見積もりを提供してくれる会社が実際に石材を販売するわけではなく、提携している全国の石材店を紹介してくれる仕組みです。
見積もりのための書類記入は1〜2分で終わりますので、「手軽に墓石の値段を比較できる」と人気です。
断りの連絡を無料で代行してくれる業者がおすすめです。
墓石の見積もりをしてくれる便利なサービスですが、デメリットもあります。
全ての一括見積もりサービスが優良とは限りません。業界自体が新しく、歴史が浅いのも特徴です。
使ってみないと分からない部分もあります。
全ての石材店と提携しているわけではないので、会社によって提携先に偏りがあります。
「本当はもっとマッチする石材店があるのに、未提携のため情報を知る手段がなかった」という事態も。
一括見積もりサービスは便利なサービスですが、他にも良さそうな石材店やモレが無いか、自分でも調べることをおすすめします。
相場の分からない墓石ならではのメリットを3つご紹介します。
全国の石材店を全て自分で調べると、非常に手間がかかります。この手間を省いてくれるのが、一括見積もりサービスです。
見積もり書類の記入は1分程度で終わりますので、少ない労力で全国の石材店を比較できます。
安くなる理由は2つあります。
墓石は石材店の言い値で決まることも多く、相場が不透明なのが現状です。
そのため、相場を調べて自分で比較することが大切なのです。さまざまな石材店を比較することで、同じようなデザインでも100万円のダウンが実現することも。
相場が分からないからこそ、比較検討することで安く買うことができます。
一括見積もりサイトを通すことにより、10万円のキャッシュバックを受けられることもあります。
石材店の中には、営業のしつこいところもあります。見積もりまで出してもらうと、なおさら断りづらいですよね。
一括見積もりサイトを通すと、断りの連絡を代行してくれることも多いです。断るところまでを考えて、見積もりサイトに仲介してもらうメリットは大きいですね。
墓石自体はおおよそどのくらいで購入できて、その値段はどのように決められるのでしょうか。
家の購入と同じく、墓石の値段もそれぞれです。平均すると約150万円前後で、多くの墓石が70〜300万円の間におさまります。
例えば、中国産の石材を用いて小さ目のお墓を作る場合、墓石代は約50万円。
国産の天然石で形をおまかせにする場合、約155万円。
国産の天然石で独創的にする場合、約220万円。
使う石材によって、かなり幅広いことが分かりますね。
墓石代と言っても墓石本体のみを指すわけではなく、墓石関係一式を指します。
例えば、外柵や花立て等の基本的な部分、家名の彫刻、工事代、付属品代が含まれます。
ただし、土地代や供養代は別になります。
墓石は家と同じように、1つ1つが異なります。石材や大きさ、形等は好みによって変わりますよね。
その上、購入者のリテラシーが低いのも相場が安定しない理由の一つです。
墓石は一生に一度買うかどうかの買い物なので、相場が分からなく、業者の言い値になりがちです。
値段が不透明で分かりづらいのです。
主に4つの要素によって価格が決められます。
墓石になる石材は中国や日本、インド産等を合わせて500種類ほどあります。下記の項目によって値段が大幅に変わります。
墓地の面積が広いと石材も大きくなりがちです。また、石材が大きいと工事の手間や時間もかかるので2倍3倍と高額になる傾向があります。
定番の形にするか、オーダーメイドにするかによって価格が異なります。
オーダーメイドの場合はデザイン料や設計料、装飾費、人件費等が通常料金にプラスされます。
家名や家紋は基本料金に含まれますが、それ以外にも彫刻を彫ると高くなります。特にイラストや立体的な彫刻を作ると料金は高額です。
これらの要素が組み合わさって墓石の値段が決められます。
何にいくらかかっているのか、契約書を発行してもらって確認することが重要です。
まずは予算に合わせた墓石にしたいですよね。
次に石材の色やデザイン、耐久性等を考慮しながら全体を決めていきます。
日本で用いられる多くの墓石は、黒や灰色、白系です。これらはオーソドックスで日本らしい墓石の形に適しています。
最近では赤や青、緑等のカラフルでおしゃれな色も登場しています。これらは洋型墓石やオーダーメイドの墓石にもよく合います。
白は「縁起が良い」として関西で人気があり、黒は見た目のかっこよさから東日本で人気です。
以前は「太陽光が暑くてご先祖様がかわいそう」との理由で黒は避けられていましたが、最近は外観イメージによって黒を選ぶ人も増えました。
いくらデザインに凝って、安く墓石を作ったとしも、すぐに劣化すると意味が無いですよね。
お墓は長く使うものです。忘れがちですが、墓石の耐久性は非常に重要です。
例えば、御影石とよばれる花崗岩は、吸収性が低いことで有名です。安価なものでも100年は持つと言われています。
500種類以上ある石材ですが、人気のものをご紹介します。
庵治石(あじいし):香川県庵治町
400〜500万円の超高級石材。御影石の一種で国産の石材です。天山石(天山御影):佐賀県唐津市の花崗岩
130〜140万円の高級石材。灰色に見えますが、よく見ると青みがかっているのが特徴です。新山石:中国産
60〜70万円なので上記の石材よりはお手頃です。アーバングレー:インド産
45〜50万円のインド産(カルナタカ州ムドゥカル地方)の石材です。真壁小目石(真壁御影):関東
55〜75万円の由緒正しい石材です。墓石の購入についてのトラブルは多く、国民生活センターに寄せられた相談件数は年間約1500件にのぼります。
葬儀サービスに関する相談件数は年間600〜700件なので、墓石購入の相談件数の方が約2倍多いことが分かりますね。
契約してから困らないように、要注意の石材店の特徴を4つご紹介します。
石材の値段は初めから決まっています。「この店で買うと花崗岩がとても安いけど、この店で買うと高い」は、無いはずです。
大幅な値引きをしてくる理由は、本当は安いものを高く売りつけようとしているからだと考えられます。
「たくさん値引きをしてくれる!ラッキー!」と思わずに、疑う目を持ちましょう。
石材店なのに石材に詳しくなかったら、信用できませんよね。
安いものを高級品と勘違いして売りつけることも考えられます。避けましょう。
石を雑に扱っていたり、耐久性の無いものを販売している可能性があります。
どのような工程で工事されているのか?計画通りに進んでいるのか?等を確かめることは大切です。
書面での契約やアフターサービス、石材の説明の無い石材店は要注意です。
書面での契約が無い場合、当初よりも金額が増える等のトラブルが起こり得ます。
完成図面や見積書、請求書等はしっかりと出してもらい、保管しておきましょう。
アフターサービスがない場合、購入後の清掃や不良品対応をしてもらえない可能性があります。
契約前にチェックすべき項目を出しておき、優良な石材店を選びましょう。
墓石は大きな買い物です。にもかかわらず、詳しい人は少ないですよね。
生前に準備する人も少ないですし、急いで購入を決めたり葬儀関係で疲れ果てて決める人も多いです。
失敗しやすい項目を事前に頭に入れましょう。
1年目は管理費・維持費が安くとも、2年目から高くなることがあります。
最初から書面で契約しているはずですが、知らなければ騙された気分になりますよね。
書類にはよく目を通し、毎年かかるお金を把握しておきましょう。
アクセスの悪い場所にお墓を建てると、なかなかお墓参りに行けません。
「東京や千葉なら行きやすいだろう」と思いがちですが、アクセスが悪い可能性もあります。
土地を購入する前に、車での行き方と公共交通機関での行き方を調べておくことが大切です。
日本は災害の多い国です。墓地が液状化したり、水びたしになる可能性もあります。
水はけが悪いと、墓石や骨が早く劣化します。
特に新しい土地は地盤が不安定な可能性もありますので、ハザードマップ等で確認することをおすすめします。
一括見積もりサービスで確認してから検討しましょう
墓石の値段は、素人には分かりにくいのが事実です。できるだけ良いものをできるだけ安く購入するためには、多くのお店を比較することが重要です。
比較することでより安いものを選べますし、相場も分かってきます。
記入は1〜2分あれば完了しますし、資料も1〜2日で届きます。断りの連絡は業者が代行してくれます。
墓石のことで迷っている方は、ぜひ気軽に問い合わせてみてください。