蓮華は、はすの花のことを言います。蓮華の花は仏教では非常に大事な位置を占めており、あらゆる仏具の一部にモチーフとして取り入れられています。仏は殆どの像が蓮華の上に乗っています。蓮華は、泥などがある池でもしっかりと根を張り、きれいな花を咲かせる花であるため、この生きざまが仏教と近似するということで仏教の世界で大切にされています。また、一蓮托生などという言葉も、蓮華の花を使用した四字熟語で、仏教から生まれた言葉です。
また、蓮華はスイレンのことも表します。蓮華はひとえに一種類の花の種類を示す言葉ではないようです。仏典の中には、白蓮華、青蓮華、紅蓮華、黄蓮華などが登場し、白と紅ははすの花、青と黄はスイレンのことを指すようです。スイレンはウバドラと言われ、仏の目に似ていることから蓮華とされています。
仏像が経っている土台に蓮華があるものは、蓮華座や蓮華台と言われています。先祖供養などを行う場合、お供え物として、お花を供えることが多くあります。これを供花といいますが、これはネアンデルタール人が生きている時代から伝えられてきたものと言われています。人の文化として、根本から根付いたものと言えそうです。その後、インドで仏教が広まり、日本にも仏教が伝えられました。同時にお花を供える文化も伝わり、飛鳥時代頃から献花する習慣が付いたと言われています。インドの経典には、はすの花はお釈迦様の誕生を告げるために花開いたものという伝説があり、仏教の根本となったようです。浄土宗や浄土真宗のお経にも蓮華が出てきており、極楽浄土にははすの花が咲いていると記載されています。曹洞宗や臨済宗の仏も蓮華台に座っています。現在存在している仏教には、蓮華は欠かせない存在です。
蓮華は、「悟り」の世界も表現しています。仏が蓮華台に乗っているのは、仏様が悟りを開いているからです。蓮華の花の下にある泥の世界は迷い世界、そして、きれいに咲いている花は悟りの世界を表現し、その花に乗っている仏は悟りを開いているという意味を表しています。お墓のいたるところに蓮華台が施されているのは、故人があの世で極楽往生したという証拠となります。また、故人に極楽往生してほしいという子孫や遺族の想いの形でもあります。
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