現在では人の生死観が昔と大きく変わってきています。
まず、家の制度がなくなりました。ですから結婚しても家と家との結びつきが昔のように親密ではなくなり、お嫁に行ったからそこの家の人になるという感覚は失われつつあります。
結婚しても実家に入り浸りのお嫁さんもたくさんおり、婚家ともめることも多いのです。また結婚せずに独り身を通す人も多くなってきており、両親をみとった後の「おひとりさま」が自分の最期をどうするか、大きな社会問題となりつつもあります。
お墓がないような場合自分の遺骨を葬ってくれるところがありませんし、お墓があっても守ってくれる子孫がいなければ結局無縁仏としてお墓はなくなってしまうからです。
このように家という観念が変わってきたことやおひとりさまが増えたことから、葬儀や埋葬に関する考え方も変わってきています。
必ずしも葬儀、埋葬またはお墓を建てなければならないということがなくなってきているのです。実際にお墓をもっているひとも「その墓に入りたくない」とか「自分は自由にしたい」ということから、死んだら海に散骨してほしいとか婚家の墓に入りたくないから実家の墓に戻りたい、自分だけの墓に入りたいという人も増えています。
ですから故人のために遺族が必ず葬儀や埋葬、建墓をするべきなのかどうかは考えものです。一番よいのは故人が生前何を望んでいたかを知って、そのとおりに葬ってあげることだと思います。
ただし散骨や水葬などは許可がいることもありますので、個人とよく話し合っておく必要があります。
また、どんな形にしろ必ず死亡届を提出し、死体は焼いてお骨にするか宗教上土葬にする場合は許可が必要なこともあります。死体遺棄で逮捕、といようなことにならないよう、気をつけてください。
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