お墓は、亡くなったご家族の遺骨を納めて供養を行うための大切なものです。
365日屋外で雨風にさらされている墓石は次第に経年劣化してしまいます。
近年は、お墓離れが深刻になっていますが、その一方で「お墓を大切に継承していきたい」という人もいます。
今回は、お墓を大切に継承したいと思っている人に、
についてご紹介していきます。
まずは、お墓がどんな状況になったら修理や取り替えを考えたらよいのかについてご紹介します。
問題が大きくなってからでは修理するにも費用が高くなります。
お墓参りに行った時には、何か問題がおきていないかを確認するようにしましょう。
建立後すぐにヒビが入ったり倒れるというようなことはほとんどありませんが、何年も何十年も経過すると徐々に風化が進んで墓石が欠けたりヒビが入ることがあります。
墓石にヒビ割れがある場合には、そのままにしておくと地震などの振動でヒビが大きくなり大きな亀裂が入る可能性があります。
また石と石の隙間を埋める目地が劣化してヒビ割れが生じていると、その割れから雨水が入り込み墓石にまでヒビが入ることもあります。
こんな時は取り替えを検討する必要があるかもしれません。
地震の揺れや台風などの強風が原因で墓石が傾いたりすることがあります。
そのままにしておくと、徐々に墓石が動いて落ちたり倒れて割れたりしてしまう可能性もでてきます。
もし、墓石が傾いているのであれば、取り替えとまではいかなくても、早い時期に何かしらの対策を行わなければいけません。
ご紹介したように、もし墓石が傾いていたりヒビ割れなどの状態をずっと放置しておいて、墓石に大きな欠けや割れがおきてしまったら墓石の修理ができなくなります。
修理もできないほど墓石に傷みが生じていると新しく建て替えなければいけなくなります。
墓石の建て替えになると、数万円から数十万円で済むはずだった修理費用が数百万円といったように高額になるかもしれません。
もしお墓に問題を見つけたら、費用を安く抑えるためにも早い時期に修理するようにしましょう。
修理で済むのか、あるいはお墓の建て替えが必要なのか、必要であれば時期はいつ頃なのか、これらの判断は素人ではできません。
プロに判断してもらうのがベストです。
古いお墓ほど築年数がわからないことが多く、ヒビ割れなどを見つけたとしても簡単な修理で済むものなのか、それとも墓石全体を交換すべきなのかがすぐにわからないことがほとんどです。
もしかすると、軽い傷だと思っていたのに地震でお墓が倒壊してしまう程ひどいものかもしれません。
まずは一度お墓全体を業者に見てもらうのが良いでしょう。
まだ修理ができる状態であれば費用を抑えるためにも早めに修理するのが良いでしょう。
ここでは、お墓を修理する場合の流れをご紹介します。
お墓の修理が必要だと感じたら、まずはお墓を建てた石材店へ連絡しましょう。
そのお墓を建立した石材店であれば、構造や材質を把握しているのに加え修理を頼みやすいでしょう。
代々継承しているお墓の場合は、どこの石材店が建てたのかがわからないこともあります。
どうしても建立した石材店がわからないときは、事情を説明して他の石材店に修理を頼むようにするとよいでしょう。
お墓の修理費用は基本的に高額なので、修理を依頼するときにはおおよその金額を確認しておくと安心です。
壊れている部分や様子をしっかりと伝えて、どのような修理内容で費用がどの位になるのかを先に確認しましょう。
大きな修理の場合は、見積もりをとって内容と金額に納得してから頼むようにします。
高額な修理代金に後悔しないように事前に十分気をつけましょう。
お墓の修理には、目地の補修、ヒビ、墓石のずれ、傾きの補整などがあります。
ここでは、それぞれついて目安となる修理費用をご紹介します。
お墓の目地の補修は比較的簡単で低料金で修理できる部分です。
墓石の目地が経年劣化などで接着面に隙間ができていたり、軽いヒビ割れなどの場合には空いている隙間をコーキング剤で補修します。
一般的に目地補修費用は3万円〜5万円程度が目安となります。
墓石にヒビが入っている場合には、どこにどのようなヒビが入っているのか、またどういう修理になるのかによって費用が大きく変わります。
ヒビが墓石の中まで入っているなど修理が難しい場合には、墓石の建て替えになる可能性もあります。
判断が難しいヒビの修理の際は、見積もりをとってから頼んだ方がよいでしょう。
墓石がズレたり傾きが発生しているときには、業者が慎重に移動や修理を行うことになります。
大きなずれの場合には墓石の組み直しも必要な大きな作業になります。
修理を依頼する場合には10万円〜30万円程の料金がかかるでしょう。
最近は、墓石の建て替えが増えています。
それは、団塊の世代が定年を迎えお墓を次の代へ引き継ぐ前に承継者の負担を減らすことを考えてお墓を建て替える場合や、終活の一環として自分が入る前にお墓の建て替えをする人、周りのお墓が新しくなっていくのを見て建て替えを考える人など、その背景は様々です。
ここでは、お墓を建て替える場合の流れについてご紹介します。
1.業者に連絡します
まずは、お墓を建てた石材店に連絡します。
建立した石材店がわからないときは、事情を説明して他の石材店に修理を頼むようにしましょう。
2.石材店による現地確認
連絡を受けた石材店は、現地確認を行い見積もりを出してくれます。
場合によっては完成イメージを提案してくる場合もあります。
3.墓石の解体工事
古いお墓の魂抜きを行い、納められている遺骨上げをします。
それから石塔と外柵部分を解体してから基礎部分も全て撤去します。
4.基礎工事 更地の状態から砕石敷き、整地、配筋、そしてコンクリートを流し込んで新しいお墓のデザインに合わせて基礎を作ります。
▼5.墓石据付工事 新しく作った墓石部材を、基礎の上に建てていきます。
▼6.完了、引き渡し 新しいお墓が完成した後は、納骨してお墓の建て替えが完了となります。
お墓の建て替えを考えた際に気になるのはその費用です。
基本的にはお墓の区画面積、工事内容、環境によって変わりますが、ここでは目安となる金額をご紹介しましょう。
外柵とはお墓のある区画を囲んでいる枠のことです。
外柵は区画の境目をわかりやすくするためのものですが、あの世とこの世の境界を表しているともいわれています。
お墓だけでなく、お墓を囲んでいるこの外柵にも年数が経つとだんだんと傷みが生じてきます。
外柵にもヒビやずれ、傾きなどの問題がおきていると修理が必要になります。
外柵に問題が起きた場合でもお墓と同様に石材店に修理を依頼します。
外柵にヒビが入っているときにはヒビをコーキングで補修するだけで作業が終わりますが、外柵自体の劣化が進んでいるときには外柵を新しいものに取り替える必要があります。
外柵の修理は、部分的な補修だけなら2万円〜3万円が相場となります。
当然、全体的な修理になると工事金額が大きくなります。
地震などで外柵が傾いている時は墓石も傾いていることが多いので大きな工事になる可能性があります。
どの位の料金になるのか一度しっかりと石材店から見積もりをとってから修理を頼むようにしましょう。
以上、墓石の修理や取り替え、またその費用などについてご紹介しました。
修理で済むのか、あるいはお墓の建て替えが必要なのか、必要であれば時期はいつ頃なのかはプロに判断してもらうのが最善です。
お墓の修理、取り替えをお考えの人は参考にしてみてください。